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■クルマのまわりで「暗い免許更新日

最初はよかった
 今日、運転免許証の更新に行ったんである。 僕は4年前に通行禁止違反(右折禁止)でシッカリ減点されていたので「優良」ではなく「一般」扱いである。前回は所管の警察署で更新できたのだけど、今回は道交法の改正とやらで「一般」は運転免許試験場での手続きとか。

 前々回もこの運転免許試験場で更新を行ったのだけど、その印象は最悪。まず手続きの手順が不案内でさっぱり分からないし、窓口の係員は実に無愛想。視力検査の検査員に至っては足を組んでふんぞり返り、どう見ても「その筋」の人にしか見えず、その顔には「検査してやっている」と書いてあるかのよう。講習と称されるビデオ上映会はひたすら事故現場の様子を見せられ、もうウンザリ。

 ところが今回は手続きが実にスムーズだったんである。非常に丁寧で手順が分かり易いし、かつ迅速。係員ときたら妙に親切で終始笑顔だし、言葉使いもまるで10年間ご近所付き合いしている人かと思わせるように親し気。これはチョット気持ち悪かったけど、無愛想よりは良いに決まってる。きっと苦情が殺到したのか、とにかく色々と改善努力をしたんだろう。  そんなこんなで写真撮影まではアッという間に終了。あとは1時間の講習会のみ。がしかし、この講習会がいけなかった・・・。

悪夢のビデオ
 講習会の指導員もまた実に腰が低い感じで、「皆さんは5年間に1回の軽微な違反しかしておらず、まったく優良なドライバーです」なんてことを言う。だったら講習会なんて要らないじゃないか、と思いつつも違反は違反だと自戒。例によって交通安全協会作成の「教科書」が配られ、「これらについては後で色々とお話しします」とのことで、やっぱりまずはビデオ上映会と相成った。

 「全てを失う交通事故」というタイトルのこの作品は、前回のひたすら事故現場を見せるものとは違って、有名な俳優を使ってのドラマ仕立てとなっている。が、これが実にひどいんである。
 昇進をひかえた会社員である主人公の青年が、やはり結婚をひかえた女性と、さらに友人カップル4人でドライブ。しかし突然真っ赤なスポーツカーから執拗に煽られ、スピードを上げて振り切ろうとした途端ガードレールに激突。結果、友人の男性は亡くなり、その相手の女性は意識不明で植物状態に。結婚相手は顔に消えない傷を負い、自身も入院。

 いやいや、それからがもっとスゴイんである。亡くなった友人の親からは人殺しと罵られ、ノイローゼ状態の主人公は会社から昇進の取りやめと支社転勤を告げられる。さらに保険は満額下りず、補償金に困った母親は家を売ってアパートに越しパートに出ることに。結局主人公は懲役8ヶ月、会社も辞めることになり、追い打ちを掛けるように交際相手の女性から結婚の解消話が! いや、まさに地獄、よくもまあこれだけ不幸な展開が考えられるものだという作品なんである。

理不尽な展開
 そして彼曰く「あの時は車の運転を甘く見ていた」
 母「いや、魔がさしたんだよ」
 ええー!? それは違うでしょう、と思っている内にビデオは終わり。続いて指導員のおじさんの言葉。
 「スピードの出し過ぎと、ハンドル操作の誤りが原因ですね・・・」
 おいおい、チョット待った!
 そもそも事故のキッカケを作ったあの赤いスポーツカーはどうなったんだ?  あのドライバーの責任は追及されないのか?  という巨大な謎を残したまま、その後の教科書の説明もそこそこに講習会はおしまい。ううむ、何という後味の悪さなんだ。

 で、結局この「講習会」とは一体何だったんだろう? ビデオの主旨もよく分からないし、標識が見えにくくて右折禁止違反をしてしまった僕にこんなビデオを見せてどうしろというのか? とにかく違反をした人間は文句言わずにこの「生き地獄」を見ろということなのか? 違反をした僕自身がエラそうなことを言うのは筋違いなのかもしれないけど、こんなことで1時間を使うならもっと別のことができるんじゃないのか?

お仕置きという発想
 例えば、部屋には40人ほどがいたけれど、2、3人の指導員と自分の違反について数分の面談をするというのはどうだろう。どういう状況で違反があったのか、なぜそのような違反を犯してしまったのか等々、その時の状況を振り返ってみるんである。そうすれば自ずと見えてくるものや分かってくるものがあるだろう。

 例えば僕の場合は右折禁止違反だけど、これは僕の注意不足と同時に、標識がわかり難いという事実もあったわけだ。だから僕自身の注意喚起は当然のこと、どこそこの標識は見え難いので改善して欲しいという具体的な提案もできるだろう。そうすれば僕と同じ理由で違反を犯す人が減る可能性だってあるじゃないか。

 そうではなく、一般論として免許更新時に交通事故の恐ろしさを知らせたいというのなら、たとえばドライビング講習を義務付けて(必ずしも当日でなくてもよい)、ビデオのような事故を疑似体験させるようなことでもいいと思う。スピード超過でカーブが曲がりきれないことがどんなに恐ろしいのかも分かるし、クルマのダイナミック性能を具体的に知ることもできるだろう。

 いや、これはあくまで僕の思いつき、一例だ。もっとよい方法がきっとあるかもしれない。でも、少なくとも「不幸のドン底ビデオ」をただただ流し、見ている人を暗澹たる気持ちにさせて「はい、サヨウナラ」よりは建設的なんじゃないだろうか。僕はそういう精神論的な部分で交通安全を云々するのには大反対だ。
 だって、お仕置き的な脅かしは一時的な効果はあっても、根本的な解決にはならないと思うからだ。もちろん、故意による悪質なドライバーに対しては話が別であるのは言うまでもないけれど。

(02/08/30 すぎもとたかよし)

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